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代表的なアルコール発酵


○アルコール発酵とは
アルコールは酵母が嫌気的な環境で生きる為にブドウ糖を食べて生命維持活動をした結果、酵母より排泄されるものです。
非常に大雑把ですが20%の糖液から10%のアルコール液が得ることができます。

☆単醗酵
代表:ワイン
原料由来の糖質をアルコール発酵させたもの、代表はワイン、原料ブドウに含まれている糖質をアルコール発酵させます、そのために得ることのできるアルコール度数はブドウ果汁にある糖質により制限されます。
そのため、糖分が高濃度のブドウ果汁を得る為にブドウの収穫を遅らせて水分が氷結する頃にブドウを収穫しブドウの果実の中の氷を取り除いてから果汁を絞るとか、ブドウ果実にカビが生えることによりブドウ果実の水分が減るのを待って果汁を絞るとか、ブドウ果実を日陰干しにして果実の水分が減ってから果汁を絞るとかして果汁の糖度を上げる努力をします、これらの方法で造られたワインは非常に高価です。
また、一部のワインには補唐が認められています、補糖はブドウ果汁に糖分を加えることです。
一部のワインはブドウ果汁(ジュース)から造られたものもあります。

☆単行複醗酵
代表:ビール
原料に糖質が無くてアルコール発酵の前に原料の『糖化』という工程がある発行形式、ビールは原料が麦ですのでデンプンが原料になります、デンプンから直接アルコール発酵はできないので、まず、デンプンの糖化という工程があります、
麦を発芽させて麦芽に含まれる糖化酵素の力によりデンプンを糖に変えます、その後にビール酵母によるアルコール発酵を行いアルコールを手にいれます、
糖化の工程とアルコール発酵の工程が完全に別れています、まず、糖化、それからアルコール発酵、となります、
できるアルコールは糖化の工程で手に入れた糖の量により上限が決まります。

☆並行複醗酵
代表:日本酒
ビールと同じように日本酒の原料である米もデンプンが主成分ですので酵母が直接米からアルコール発酵をすることができません、そこで糖化の工程が必要になるのですがビールとの大きな違いはモロミタンク内で糖化とアルコール発酵が同時に並行して行われます、
米の糖化には麹菌が作る酵素をつかいます、酵母などの微生物は糖度があまり高いと生育できなくなります、そのため、たくさんのアルコールを手に入れたいからと言って糖度の高いところに酵母を植えても生育できないので結局アルコールは手にはいりません、
日本酒は醸造酒の中でも最もたくさんのアルコールが手に入るといわれています、約20度ぐらいのアルコールが手に入ります、これは、糖化とアルコールは醗酵が並行して行われるためです、イメージとして酵母が生きる為に糖を食べてアルコールを排泄するのですが、食べて減った分の糖がすぐに供給されてそれをまた酵母が食べてアルコールを排泄する、という感じで酵母がちょうど生育できる糖度でズーットアルコール発酵が続く感じです、最後には自分の作ったアルコールなどにより酵母は死んでしまうのですが、ちょっと切ない感じです、

以上が主なアルコール醗酵の形式になります

世の中にはビールなどを内緒で造っている方もいるようです、本当のきちんとした造りかたは意外と難しいので原料の一部、というか大部分に砂糖を使って作る方もいるようです、極端な話ブドウ糖と酵母が生きるのに必要な微量栄養素と酵母にとって快適な温度があればアルコール発酵は行われます、酵母の中で行われるブドウ糖エネルギー代謝は人間の細胞の中のミトコンドリアで行われるエネルギー代謝と同じです、ただ、人間の場合はアルコールを造りませんが!もし造ったら面白いことになると思います、酵母も好気的な環境ではアルコールを造りません、嫌気的という非常に生きにくい環境に置かれたときにアルコールを造ります、チョットかわいそうですが!

微生物に感謝!!


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