濃熟型
このタイプの熟成酒は純米酒や本醸造酒等で比較的精米歩合の数値の高い酒、必要以上に白くしない米で仕込んだ酒を常温で熟成をさせます。熟成は蔵内や貯蔵庫等で冷蔵設備等による温度管理は行なわずに、その地方の自然の温度変化に影響を受けながら熟成します。冬は温度が低く、夏は温度が高い、暑い夏もあれば涼しい夏もある、その地域の自然のままに熟成します。貯蔵容器は蔵の方針により様々で、タンク、瓶、壷、等様々で各々に優劣はつけられません。瓶で熟成させる時には瓶香を避けるために使い古した古瓶が多く使われます。熟成期間は長いほど味わいが深く個性豊かになります、熟成開始から六年程度までは老香が増大しますが、その後、老香が減り代わりに熟成香になって来ます。また、滓が出る度に酒がどんどん成長します。そして、あるとき酒が大きく変化してそれ迄と全く違う素晴しい、味、香り、色、に変わりますこの変化を/解脱/と表現しています。
味は、非常に奥行きと幅があり余韻も素晴しく各々の酒が各々の個性をしっかりと主張しています。
香りは、木の実、キャラメル、蜂蜜、薔薇の花の香り等様々なタイプがあり、また複合してます。
色は、濃い褐色から濃赤褐色、透かすとルビーのような色まで様々な色があります。